「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

コロナ対策、人の振り見て我が振りを自戒する

 久しぶりにママ友とお茶した。

 彼女は小学校で補助教員をしている。

 コロナに過敏で、以前のようにドライブやランチに行く事も、以前一緒に参加した市が主催するウオーキングにも参加を渋るようになった。

 立場上、理解は出来るが、私だって職業柄コロナには気を付けている。

 あまりに避けられるので嫌われたのかと気になっていた。

 でも今回その理由が分かった。

 久しぶりにランチの約束をしたのだが、近場で弁当でもいいかと尋ねられた。

 いいと答えて、訝しながらも楽しみにしていた。

 すると前日に、急に翌日ご主人との予定が入ったので今日お茶するだけでもいいかとLINEが来た。

 15時までのパート勤務なので仕事終わりに我が家に迎えに来てくれて、近くの個人経営の喫茶店に入った。

「久しぶり~」と何度も言い、前回会った後の近況を報告しあった。

 彼女が訳あってコロナワクチンを打っていない事が初めて分かった。

「なるほどね。コロナに過敏なのはそのせいだったのね」と言うと、

「いやいや、そうじゃなくて・・・」と彼女は話し始めた。

 コロナが蔓延するようになって学校行事は軒並み中止。

 楽しいはずの給食の時間も、全員がただ前を向いて黙食。

 一人コロナに罹ったら、休校。

 子供達がかわいそうだ。

 自分が罹るわけには絶対にいかない。

 いつでも説明出来る行動をしておかないと。

 だから本当に家に籠ってる。・・・という内容だった。

 テーブルを挟んで向かい合っても斜めの位置に座り、飲食の間も本当に口に入れる瞬間だけマスクを外し、口に入れた途端マスクを付ける徹底ぶり。

 世界中の誰もがこれを徹底したら、コロナも広まらないだろうと思った。

 随分高齢のウエイトレスさんがガラスの細高い器のパフェをお盆に乗せて運んでくれたのだが、中二階の階段を一歩一歩ゆっくり上がって来て表面の剝がれかけたお盆からパフェをテーブルに置いてくれるのが危なっかしかった。暫くして器を下げに来て「あと30分です。6時で閉店しますので」と言われた。

 私達が会計する時、他に客は居なかった。

「つい話が長くなってしまってすみません。久しぶりに会えたのが嬉しくて」と言うと「手を繋いでお帰りください」と素敵な笑顔で言われた。お茶目な高齢ウェイトレスさんだった。

 友人は私を自宅に送ってくれて「またね~」と手を振って帰って行った。

 嫌われてたわけではない事が分かってホッとした。

 きっと誰ともこんな風に今は・・というか、ここ数年ずっと・・距離を取っているのだろうと思われた。

 誤解が溶けて良かったけど・・というか、私が勝手に友人を疑っていただけだった事が分かり、変に勘繰るのはやめようと思った出来事だった。