「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る元介護職兼介護支援専門員の日常

娘を思う母の葛藤

 

今週のお題「サボりたいこと」

 娘が初めて彼氏を伴って帰省した。

 帰省前、帰省後にPCR検査。

 そうまでして帰省してくる理由は?

 私は黄金週間の中で有給と公休を組み合わせて5連休になっていたが、急ぐ事務が滞っていたので初日の有給を取り下げて出勤した。

 娘と彼氏はその日長旅を終えて宿泊先ホテルでチェックインを済ませ、私の帰宅時間に合わせて我が家に到着。

 皆が緊張している。

 食卓に案内しても彼は立っている。

「あの、〇〇さんとお付き合いさせて頂いてます、□□です。よろしくお願いします」

 そう言われて

主人「お分かりとは思いますが、父です」

私 「母です」

息子「弟です」

三人「よろしくお願いします」

 いきなりテンポが良くて皆で笑ってしまった。

 彼の自宅農家で作っている米、ご両親から挨拶の菓子、彼自身からの菓子、娘の近くに住む舅からの菓子、娘は酒を買ってきて、大量の土産を披露された。

 我が家の近くに住む私の両親宛てにも同じように大量の土産を用意していた。

 恐縮を通り越して逆に困る。

 移動日の間の滞在2日間のうち1日は娘が県内を案内する形で2人で出かけ、もう一日は舅から息子にスーツを選んでとお金を預かってきた娘(と彼氏)に立ち会って貰って近くの洋品店で息子の就職祝いに一張羅を選んだ。

 「肉じゃがと茶碗蒸しがいい」という娘のリクエストに応えたら「残った肉じゃがを持って帰りたい」と嬉しい事を言ってくれる。2日間は我が家で夕飯を食べ、最終日は娘が近くの焼肉店でご馳走してくれた。

 あちらへ持ち帰ってもらう土産を選ぶのに、頂いたものに見合うものをと頑張って選んだつもりだが辛い。気になったのは、彼が祖父母にと買った土産が大量で高額だったことだった。

 感覚が違うんじゃないだろうか?

 特に金銭感覚。

 町役場の正職員になって一年という。

 資格試験は受けたけど・・また受けようかと思ってる・・

 本人は素朴で控えめな印象で、娘は一緒にいて楽なんだろうなと思った。

 彼に娘のどこがいいかと尋ねたら「一緒にいて波長が合う」と答えが返ってきた。

 でも何だかモヤモヤする。

 楽しい時はいいかもしれない。

 娘が仕事が忙しくて疲れた時に共感してくれる人だと思う。

 でもこれから人生を共にする人となると、一緒に苦労してくれる人では無い気がする。何となく彼はすり抜けて、娘一人が頑張る姿が既に見える。目の前の壁を乗り越える努力をせず避けてきた甘さがある。

 ずっと付き合っていればずっと好きでいられるかもしれない。

 もし結婚したら娘が一人で背負いこんで頑張りそうだ。辛いとも思わずに。

 最終日「あー、帰りたくない。ここに居たい」と娘は言う。

 溜まった有給休暇は今月一杯休めるくらいあると言う。

 居ればいい。休めばいいと言うと「恨まれる」って。

 ただでさえ激務の保健師、サボる事が出来ない性分でもある。

 長く休んだら出勤日が近づくと気が重くなるのも分かる。

 遠い所で就職するからでしょ・・・

 娘を持つ母親は誰もがこんな風に娘を思い心配するものなのだろう。