「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

大切に育てた花が咲いたら

 近所に、趣味で花を育てて自宅の敷地が鉢植えでいっぱいになっているお宅がある。出かける時には必ず通る道沿いのお宅なので、通る度に季節の花を楽しみに見ている。

 お世話をしているご主人は、花が咲きそうな鉢を道沿いに出して見て貰えるようにしていると話しておられた。先月からシャクヤクが小さい蕾をたくさんつけ、次第に大きくなって色づき、咲き始めたら甘い優しい香りがした。ところが、咲いたらすぐに虫がついて、傷んでしまう。虫も、花が咲くのを待ってたんだろうけど。

 花の命は短い・・いや、花が美しく咲いている期間は短い。

 

 夜10時半頃、他県の保健センターで保健師をしている娘からラインがあった。

娘「今、仕事帰り」

私「お疲れ様。週始めからこの時間じゃきついね」

娘「マジで3人くらいに分身して手分けして仕事したい。

  帰ったら〇〇君がカレー作ってくれてた。食べて寝る」

私「は? 家におるの?」

娘「家におるの。

  私の心が折れるから」

・・・

 

 ここ数か月、特にコロナ関係で激務になっている。

 黄金週間に帰省したい意向を示していたが、コロナでやむなく断念した。

 帰ったら彼の事も話すつもりだったに違いない。

 帰って来なくてよかった。

 まだ私の心の準備が出来ない。

 娘も体を休ませた方がいい。

 今となっては私より彼の方が、娘の心も癒してくれているのだと思う。

 いい人とお付き合いしているのだと感謝しなくちゃ。

 頭では分かっているんだけど。

 

 大切に育てた花がようやく咲いたら・・・😿

 娘に彼氏が出来てこの狼狽えようだ。

 息子に彼女が出来たら・・・