「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

息子の就職

 

今週のお題「今月の目標」

息子の就職が決まった。

 県からの合格通知を保留にして、国土交通省から「合格です。来てくれますか?」と言われたその電話で断り、居住市役所の合格を受け、県を断った。

 これでええの?

 広い世界を見て欲しい。これから定年までの長い社会人人生、大きい組織で働いた方がいいと思う。 国→県→市への転職は有りだが、逆は無いと私は伝えたのだが、息子も色々考え、悩んだのだろうが、結局、最後は息子自身が決めた。

 ある意味、すごい決断だと思う。

 市役所からと、県からの簡易書留が同時に届いた。

 市役所を開封して

「あー・・・やった・・・」内定通知書だった。

 声とも息とも取れない、静かな時間。嬉しいというより、安堵の表情に見えた。

 これを待ってた。

 県に関しては「電話で断った」と言うが、採用内定通知書と必要書類の記載、別紙で辞退届が同封されていた。

 密かに私は、県はまだ諦めてない、と思ったのだが、本人は辞退理由の言葉を考えている。

 ・・・本当に、ええの?・・・

 でも、もう何も言わない事にした。

 昼前、アルバイトへ出るのを見送りながら、

「今日はステーキかな?」と尋ねると

「そうね。お祝いして欲しいな」と言う。

 本人に迷いは無いようだ。

 私が一番、諦めが悪い。何故こんなに悶々とするのか。

 私は息子に何を求めようとしているのか、自分でも分からなくなっている。

 最近、息子が学校から帰って来るより私が仕事から帰る時間の方が早い日があり、玄関の鍵を開けて真っ暗な家に入り、洗濯物を取り込んだり夕飯の支度をしたりする。当たり前の事なのに、コロナ以降、リモートだったり、夏休みだったりで、息子が家に居て夕飯を作って待っててくれるのが日常になっていて、改めて、私は息子に甘えていると認識した。

 これからも、この家で一緒に暮らす。

 孝行息子だ。

 言葉の少ない息子に、聞きたい事や知りたい事は山ほどあるが、それをすると嫌がられそうだ。

 今後、私が息子にとって重荷にならないよう、私は私の事をきっちりやる、これを今月の、今月からの目標にする。