「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

介護現場は人員不足

今週のお題「自分にご褒美」 

 介護施設は人員不足。でも当然だが入居者はそんな事はお構いなく尿、便失禁するし、じらも言う。
 夜勤が明ける朝、人員不足の為早番は欠番。
 8時半に日勤パートが出勤してくるまで夜勤職員が一人で入居者を起こし、整容、朝食の準備をして配膳、朝食前後薬の準備もする。
 食べ始めたら落ち着くかと思いきや、90歳のだてさんが落ち着かない。
だてさん「母ちゃんどこ行った?」
 私  「お休みしてます。休ませてあげてください」・・・当の昔に天国よ
だてさん「母ちゃんの所へ連れて行っておくれ」
 私  「ご飯食べたらね」・・・行っちゃダメです
だてさん「母ちゃんに会いたいんだよ。連れて行っておくれよ」
・・・
 申し訳ないけど一人に構っていられない。食後に服用する薬を砕いておかねばならない。キッチンカウンターで力いっぱいガン、ガン、ガン、ガン・・・と叩いて潰す。
「わあ、大きな音がしたね。びっくりしたね」と入居者の一人が言い、それまでじらじら言っていただてさんは黙ってご飯を食べ始めた。
 
 食べ始めて暫くしてパートさんが「おはようございます」と出勤してくる。
「待ってたよ! 激しく待ちかねてた!」
 介助、下膳、食後の服薬・・・カウンターの上に下膳したトレイと食器が積みあがる。シンクには食事を用意した洗い物の山。
 さて、これをどれから片づけるか・・・そう言いながら、パートさんが洗い物を終え、入居者の口腔ケアとトイレが済む頃、遅番が出勤して来た。・・・もうそんな時間か・・・
 夜勤の定時は8時半。10時になってしまったが、超過勤務がつくわけではない。
 遅番の顔を見てから「あとをお願いします」と伝えて帰った。

 翌日も早番は欠番だった。
 この日はパートさんも休みがちな人だった為、遅番職員が気を利かせて早めに出勤しようとしていた。そこへ夜勤者から電話。
「すいません。回りません!」
 夜間3度にわたる便失禁、布団、シーツ、全更衣で、朝になっても夜勤者が片付けられない状態だった。この夜勤者も10時を過ぎてくたくたになって退勤していった。

 

 今の私達は何が欲しいかと問われれば、口をそろえて「働く仲間」

 求む、介護職!

 ・・・こんな現実書いてたら誰も来てくれないか・・・

 私にご褒美は、やっぱり私を養ってくれる優しい人がいいです。