「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

娘の結婚 両親顔合わせ

 今週のお題「上半期ふりかえり」

 黄金週間に娘と娘の彼氏が来た。

 その目的は、挨拶。

 娘から「結婚しようと思う。彼氏から私達夫婦に正式に挨拶をしに来たいが、いつがいいか」と打診があったのは3月末だった。

 

 彼氏は白シャツにネクタイ姿で車を降りるなり上着を着て、前回にも増して緊張の面持ちでリビングへ。

 娘さんと結婚しようと思いますので、お父さんとお母さんにもご了解を得たいと思いまして・・という内容だったと思うが、今となってはハッキリ覚えていない。

 主人が「よろしくお願いします」と言い、私も続いて言った。 

 二人分の客布団セットを購入し用意していた。

 初めて2人で我が家に泊まった。

 

 それから1ヵ月経つ頃、両親顔合わせの席が設けられた。

 娘と彼氏、彼氏の両親が、彼氏の車で来た。

 これまで片道7時間かけて娘一人で運転し帰省していた道のりだった。

 2人は午前中仕事をしてからの出発で到着は夜だった為、両親を宿泊先へ送り届けてから我が家へ来た。

 その宿泊や顔合わせの場所もメニューも、娘と彼氏で全て膳立てされた。

 両家両親が互いに準備しておくものとして「両親への土産」と申し合わせてあったはずなのに、2人が車から山のように土産やら「お祝い」と熨斗のついた酒やらを運び込んできた。

娘「なんだか、聞いてた話と違うんよ・・来る途中でまた増えたり・・」

 息子が嫁をもらう時には、私達もこれほどしなくちゃいけないって事だろうかねと、主人と話した。

 

 翌日は娘と彼氏、彼氏の両親は娘の案内で県内を半日観光した。

 遠くてなかなか来れないだろうし、こちらから誘わなければ来辛いかなと思い、

「良ければ我が家へどうぞ」と娘に伝えると、娘は「え、いいの?」との反応だったので、逆に私が驚いた。

 嫁になる子が育った環境を一度は見てみたいだろうと思うし、それをするとしたら今回だろうと考えた。料亭での会食の前に初めて会うことになるので緊張Maxだったが、彼氏のお母さんがおしゃべり好きで社交的だったので助けられた。隣で彼氏はあまりのマシンガントークに汗だくになっていた。

 

 夕方からは料亭で記念写真を撮り、今後の予定の話等しながら、こちらの郷土料理や地酒のコース料理を頂き「これからよろしくお願いします」と締めくくられた。

 結納はしないが「彼氏本人から」と熨斗袋を受け取った。

 帰宅してから娘に半額返す意を示すと「助かる」との事だったのでその場で2人に手渡した。間もなく新居に移る予定になっており、家具家電等も本人達が新居に合うものを選ぶことにしている。

 

 顔合わせの席でLINEを交換すれば良かったのだが、あちらの両親が自宅に帰られてから、娘を通してお母さんから連絡先を教えて欲しいとの事だったので、娘に取り持ってもらった。

 お世話になりました等挨拶が来て、私からは遠路お越しくださりありがとうございました等挨拶の後、事後報告になったが共通理解として、席で受け取った金額の半分を彼氏へお返しし、残りの半分はこちらの通帳に入金して表示し、今後娘達の為に使おうと思っている旨を文字で伝えた。

 すると話しきれないから電話で・・との事で、30分くらい電話で話した。

 私は2人が同棲しているとは知らなかった。

 表向きは彼氏は実家住まいなので、両親は2人の様子を把握しておられ、転居先の市制にも詳しくて、心強かった。今後結婚式等で必要なら加勢すると本人達に伝えているとの事だったので、ぜひこちらからも同じ程加勢をさせて欲しいからその時には教えてほしいと伝えた。

 娘には幸せになってほしい。

 あちらには既にお孫さんがいて、お母さんは「孫は可愛いですよ」と言うが、今の私にとって孫の前に娘が大切なのだ。

 娘も「母さんに結婚したいとはなかなか言い出せなかった」と言った。

 辛抱強い娘なので、苦労を苦労と思わずに頑張ってしまいそうだ。

 それは私が子育てをする過程で我慢を強いてしまった結果だとも言える事であり、申し訳ない。

 長い結婚生活の中で、当初数年の幸せを糧に、その後の長い人生を辛抱、努力で生きていくことになる事を、世の多くの女性と同じく私も体現している。

 出来る事なら娘に苦労をさせたくないと思うのは、どこの親も一緒だろう。

 それでも娘本人が結婚したいと言う。

 娘自身が「幸せ」と思えるなら・・と私は自分に言い聞かせる。

 今が人生で一番幸せを実感している時だろう。

 

 こんな事を公開する必要は無いと思うが、文章にして残しておかなければ忘れてしまいそうなので記事にした。

 特に、いつの日か息子に嫁が来る時には・・と。