「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

葬祭業でも笑顔はある

 斎場では葬儀社のアシスタントが遺族を案内、誘導する。葬儀社の社員だったり、系列業者からの派遣だったりする。

 斎場に早めに到着して担当家遺族を告別室へ案内する。

 人数を数えて揃ったら焼香や各宗派のお勤めを促す。

 お勤めが終わったら斎場職員に知らせて、職員が炉前でのお別れを取り仕切る。

 お別れが終わったら遺族を待合室へ誘導する。

 遺族が待合室で食事などしながら待っている間に火葬が終わっていないか火葬棟へ見に行って、収骨に呼ばれそうな時間を見計らう。

 今日はこの火葬棟前に来たタイミングが一緒だったS葬祭のSさんとK会館のKさんと少し話す時間があった。

S「娘さんが亡くなって、お父さんが喪主なのよ。ずっと前に息子さんが亡くなって、2年前に奥さんが亡くなって、今度は娘さん。もう、お父さんが憔悴しきって可哀そうで・・」

K「そうなんだ。遺影の写真がすごく綺麗だった」

私「若くして亡くなると遺影も若いよね」

K「故人はそんなに若い人じゃないはずなのに写真はすごく若い人っている。それでいいなら私、成人式の頃の写真を用意しとこうかな」←自身の子供でさえ成人している

私「いやそれもはや別人でしょ(笑) でも一枚ちゃんとしたのを用意しとくべきかも」

S「最近は自分の写真撮らないなぁ。娘に加工してもらおうか」

私「それいいね。別人にならん位に自然にね」

3人「笑」

 まるっきり話が逸れている。

 そんな話をしているうちにK担当家の火葬が終わり、別れた。

 この業界に入るまでは笑ってはいけない仕事だと思っていたが、人に慣れてみると笑顔も冗談もある。

 今日は最近独り立ちしたばかりのBルコのアシスタントのとびきりの笑顔を初めて見た。そろそろ火葬が終わる頃かと火葬棟へ見に来たらしい時だった。

B「もう呼びました?」

 何かいいことあった? こんな可愛い顔して笑うんだと驚くほどの笑顔だった。

 B担当家の火葬は終わったばかりでまだ高温だったので、副主任が「あと15分位でアナウンスをかける」と伝えた。

 Bさんも慣れてきたんだなぁと思った。これまで必死な顔しか見た事がなかった。

 アシスタントは遺族の様子を見ながら常に人数を数え気を遣い段取り良く誘導している。色んなケースがあり色んな遺族がいて大変な仕事だ。営業もする社員さんは年が明けてから休んでいないと言っていた。葬儀社もしのぎを削り身を粉にして働く社員に支えられている。

 職場内は勿論だが関わる社外の方ともお互いをリスペクトしながら良い関係を築き気持ちよく働きたいと思う。

 

 AIでタイトルを検索している。

 数秒でタイトルを決めるなんてすごい技術だ。

 しかしそのAIタイトルにピンと来ない時があるのは私の文章が的を得ていないということなんだろう。

 そう取るか・・と改めて読み返してみたり。

 文章を書くのは難しい。

 見出しやタイトルを付けるのも難しい。