「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

ばね指手術

 今年2月1日の朝目覚めると右手中指の第一関節だけがカクンと曲がったままだった。

 痛みは無かったが、手をグーに握り広げようとする度に中指の第一関節だけが曲がったままになった。力を入れて伸ばすとカクンと伸びる。

 3月には2年前に受けた股関節手術後の定期受診の為整形外科を受診する予定があったので暫く様子を見ていたが、状態は変わらずその受診日にもカクンとなった指をそのまま医師に見せた。

 股関節手術を受けたその病院は急性期病院で、地元クリニックからの紹介を受けて手術と経過観察はするが、それ以外の診察については地元クリニックでするようにと言われた。私の手を見て、紹介をされた地元クリニックの医師名を出して「□□先生に注射してもらいなさい。治るから」と言われたので、その病院の帰りに予約を取りクリニックに行った。

 実はそのクリニックへ行くのはあまり気が進まなかった。

 去年秋に右手親指付け根の痛みで受診した際、母指CM関節症との診断だったがサポーターをはめて痛みを凌ぐ以外に治療は無いと言われ、1ヵ月経って痛みが続いているからと再診しても同じ対応だったからだ。

 だが今回は急性期病院の医師の勧めがあるので行ってみた。

 クリニックでは今回もあまり治療に積極的ではなく、

医師「腱が切れる事があるからあまりしない方がいいけど、まあ、注射か手術か・・」

私 「あ、さっき注射してもらうようにと○○先生に言われて来ました!」と言い切り、注射してもらった。

 数日して治った。

 不思議な事に親指付け根の痛みも無くなり、サポーターをはめる必要もなくなった。

「再発する可能性は高いけど何回も注射を繰り返すと腱が切れる」との説明も受けた。

 そして3ヶ月経ち、6月に再発した。

 クリニックを受診すると「ああもう紹介しよ」と、医師はうんもすんも無くパソコンに向かい紹介画面を開いた。

 7月に隣町の急性期病院の整形外科外来を受診し諸々検査をして手術日程を決め、8月に手術の運びとなった。

 腱鞘炎切開術

 右手中指の中の腱が周囲と擦れて炎症を起こしているので、指の付け根から手のひら辺り2㎝程度切開し、腱を切る。

 手術室に入ってから出るまで1時間以内くらいの日帰り手術だ。

 伸ばした右腕の足側と頭側に担当医師ともう一人男性が付き、話しながら手術を進めていく。部分麻酔なので聞こえる。手術着に着替えても見る気満々で眼鏡は外さなかったのだが、見えないように覆われた。

医師「天然さん、手握れる? はい伸ばして。握って。グーンと伸ばして。いいね。じゃ、縫合して終わりね」

 右手全体をぐるぐる包帯で巻かれ、麻酔のせいで痺れていた。

 術後着替えて説明を受けた。

・手術は成功した。

・外来受付を経由して帰る際に上にきつく巻かれている包帯を一枚はがす。

・抗生剤を毎食後服用する事、今日の夜から開始。麻酔が切れたら痛いだろうから痛み止めを処方する。6時間は空けて服用する事。

・明日は紹介をされたクリニックで消毒し絆創膏に貼りかえるだろうから、動かせるようになったらしっかりグーパー指を動かすこと。術中には反るほど伸ばせていた。

・2週間後に見せにきてね。

 医師が腰痛ベルトを巻き壁にもたれかかるように立っていたのが気になった。

 ・・・整形外科なのにね・・・

 そして翌日、前日受け取った封書を持ってクリニックを受診し、消毒して5㎝くらいの絆創膏を貼られネットで覆われた。

 3日位で切開した皮膚は覆われる。綺麗な水で洗うのは良い。「僕なんか、手術当日でもシャワー浴びたよ」と医師。でも濡れたままは良くないので絆創膏を貼りかえるよう、抜糸までの日数分の絆創膏を処方された。

 絆創膏がなくなったら普通のカットバンでも差し支えないとの事だったが、少し多めに出してもらった。絆創膏は薬と違って自費だった。請求書が別に出されている。

 私は生命保険会社でなく県民共済で月々かけている。確認すると日帰り手術でも入院保障の対象になるとの事で、共済金受け取りの手続きもする。しかも医師の証明書は必要無く、術後に病院から発行される診療明細書に術名、医療点数、氏名、病院名があれば良いので、日数も料金もかからない。助かる。

 包帯が取れて絆創膏になり、締め付けから解放されて早速指を動かそうとするが右手中指は異常に浮腫んで第2関節が少し曲がったまま伸びない。

 これから自主リハビリに励む。