「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

就職!!

・・・失業中・・・のタイトルをあえて変更せずに書き始めたのには訳がある。
 職業訓練で得た資格を活かし、職安で見つけたデイサービス正職員募集に応募、面接を受けた。火曜日で、
「結果通知は来週」
と言われた。月曜日。・・何もなかった。
「駄目だったのかなぁ・・」
 少々落ち込んで、火曜日。
 見覚えのある電話番号が携帯画面に。
 しかし、覚えのない女性の声。
「デイサービスは違う方に決まったそうなので、特別養護老人ホームに面接に来ませんか?」
 ・・つまり、落ちた・・
 翌日午後、、詳しい条件を聞きに行った。偶然だが、午前中が訓練最終日で、後ろの席の人に話すと、ほんとにすごい偶然なのだが、その日彼女も面接に行くという。時間帯別パート5人募集している。
「一緒に就職出来たらいいね。」
と言って別れたのだが、5人も欠員募集する事業所もどう・・?
 面接は副施設長と主任二人。今日は施設長が終日出張なのだそうで・・なんでそんな日に面接するかな。
 子供の人数、年齢、学年。働く理由、家の事情。・・ずいぶん立ち入った質問をされる。本当は正職員を希望していたのだが、社会福祉法人で正職員として勤務するために介護福祉士の資格保有者であることが必須条件なのは、ここだけではない。
 そこにいた女性3人はみな、ここでパートから始まり、国家試験を経て今に至った大先輩ばかり。最後に主任が
「ここで頑張りぃ。働きやすいよ。」
と言ってくださったのが嬉しくて、
「はい!」
と答えて帰った。帰り際、先日面接してもらったデイサービスの所長と特養の入り口付近でばったり出会った。
「いやあ、○○さん、すいませんでしたね。採用したかったんですけどね、なにせ、大型免許を持ってる人が面接に来たもんで、そっちを採用せざるを得んかったですよ。○○さんに来て欲しかったんですけどね・・それで特養のほうにどうかと思って・・」
 私の名前を覚えてて、顔を見てすぐ口から出てきたのにまず驚いた。デイサービスに送迎はつき物なので、自分が不採用になった理由も納得出来た。
 そしてその日は施設長が不在なので、決定、連絡は後日ということだったが、実際に働く時間帯もお互い確認し、フルタイムパートとして働くことで、特養で採用されるものと確信した・・のだが。
 翌日。電話はデイサービスの施設長の声。
「正職員としての採用は他の人に決まったが、正職員の枠は一人しかないので、今回特別枠を作って“準職員”として○○さんを採用したい」と。
 ・・つまり特養が不採用?・・
 いまいち納得できかねたが、他に行くあても無く、特別枠といわれて
「ありがとうございます」
と言わないわけにはいかない。
 そこでどんなやりとりがあったのか。知りたいような、知りたくないような。“準職員”って何? この施設長が私を買ってくれたのだろうかとも思ったのだが、就職が決まる瞬間って、もっと感激するものかと期待していただけに、すっきりしない。
 とりあえず “準職員として” 来週から出勤する。