「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

怪我の功名。新しい仕事へ

 長い間、股関節の痛みに耐えて仕事をしていたが、先月ついに初診を受け「変形性股関節症」との診断を受けた。職場で上司に伝えると早速今月の勤務から介護現場の仕事を減らし事務を増やすようシフトが組まれ「無理しないように」と声をかけて貰い、有難く思っている。

 そして今後の勤務について打診があった。

 3つの選択肢が示され、その中から選ぶようにと言われた。社命でなく選択権が与えられる有難さ。

 娘にラインすると折り返しは電話で来た。1時間半もしゃべってしまった。

 娘の声を聞くのは久しぶりだった。

 去年の盆以来帰省していない。

 今年になり何度か帰省を予定したものの、コロナの影響でその後も実現せず今に至っている。

 

 先月から数人入職している。介護未経験だったり、資格を持っていない方々なので、現場に配属される。8時間立ちっぱなしで動きっぱなしの現場は、今の私には無理があるのだが、若い職員達は体力的にきつくはないと言う。

 これを機に私は現場から少しずつ距離を置いていきたい。

 ケアマネ資格と計画作成担当の職務実績のお陰で首の皮一枚繋がった形だ。

 

 入職した方の中で、前職は歯科で助手をしていたという方がいて、こんなに忙しくなかったと言っていた。

 私は前職でもバタバタ忙しかった。

 そうか。忙しくなくても給料もらえる仕事があるのか。

 もっと早く知りたかった。

 

 今月、介護職に慰労金5万円が給料口座に振り込まれている。

 介護職が少し世の中に認められたようで嬉しい。

 あっという間に生活費に消えてしまうのだけれど。

 

 来月からは、今の職場に所属しながらも法人内の他事業所での仕事も加わる事になる。

 自分の中に新しい風が吹くようで、また頑張ろうという気持ちが湧いてくる。