「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

今週のお題「文化祭や学園祭の思い出」

デイサービスでは、毎日午前、午後と、レクリエーションをする。午前レクでは今日の日付や出来事などの見当識、体操等全員同じ事をする。
 
 午後は、季節の催しや、散歩、作品作り、ゲーム等、日によっては好きなジャンルに参加してもらえるよう、1ヶ月毎のカレンダーを出して、予定を組む。

 来月、11月は自分がレクリエーションを担当し、しかも、3人の担当者の中のリーダーを務める。1.2.3日の3日間、午後レクで文化祭を予定し、1日の木曜日には、毎月数回、木曜日のみ午後レクで手話をしているので手話の発表会にしようということになった。毎回全員が喜んで手話をしているわけでもないので、他の利用者にもそれなりの雰囲気を味わってもらえるよう、最大限の努力をする。
 
 来月の担当であることはあらかじめ決められていたので、来月のための準備が、既に始まっている。
 その文化祭では、一年間の作品作りで作った作品や、書いた習字、ぬりえなど、名札を付けて壁や棚に飾る。飾る為に作品を集めておいて、飾り方など構想を練り、毎日業務が終わってから6時半までと決めて、帰宅を急がない職員に手伝ってもらえるよう、声をかけた。

 レク担当の辛さは職員全員分かっているので、出来るだけ手伝おうという空気があるのが有難い。

 今回初めての試みなのだが、職員も手話を利用者に披露しようということになり、簡単な曲を見つけるまでに悶着があった。

 結局、私が子供の頃にしたことのある「切手のない贈り物」に決まったのだが、日頃「先生」として午後レクで手話を教えている職員が臍を曲げてしまって、協力してくれない。彼女はこの施設で初めて手話をレクに取り入れて、彼女自身がそのために勉強して、レクで「先生」として教えているので、強い思いがあるのだ。

 手話でこの言葉は? と尋ねても
「知らん、知らん。自分で調べんにゃ」
と取り合ってくれない。

 仕方がないので、ネットで調べたり、図書館へ行き、手話の歌の本を探した。まさにその曲が載っているのを見つけた時には、神を見た思いだった。

 
 それから毎日、終礼の後で全員でこの曲を練習している。結構みんな、覚えてきた。昨日は、臍を曲げた職員も、離れた所で、歌に合わせて手を動かしていたので、ちょっと嬉しかった。


 こうして、文化祭は何とかなりそうになってきた。

 11月の午後レクの予定がこの3日間で終わるわけではもちろんなく、文化祭意外にも、紅葉を見にバスハイクや、作品作りでクリスマスツリーなど予定している。


 担当は1ヶ月のはずなのだが、およそ2ヶ月かけて、午後レクを主導する。長い担当月が始まった。

 常勤とはいえ、5:15までの時間給で働いている身なので、不満もつのる。もちろん、サービス残業である。