退院一か月後の診察を受けた。一か月ぶりの県病院整形外科外来は、相変わらず患者が多く、予約時間より1時間以上遅れて診察室に呼ばれた。
診察台に上がり、両足をそろえて長さを確認する。
医師「長さが違う感じがしますか?」
私 「分かりません。どうでしょうか?」
医師「同じですね」
・・・
患部周辺をズボンの上から触診、股関節を軸に屈伸、開脚、台を降りて問診があった。
寝ていても疼く事、足を開く動作(例えば車の運転席から降りる時)、靴下を履く動作等、動いた拍子に突然痛みがあるのが怖くて、ゆるゆる動いている事、リハビリに週3回通っている事を伝えた。
医師「それは行き過ぎじゃない? それにリハビリの後に筋肉痛になるようじゃいけませんよ。優しくしてもらって下さい」
・・・誤解があるような気がしたのだが、入院中の理学療法士のリハビリよりよほど優しいと思うのだが、それは言えなかった。筋肉痛?とはどういう事?
後で思ったのだが、先週のリハビリの時に理学療法士から「庇うような動きをしているから、正しい筋肉を使って動けるよう今後リハビリをしていく」と言われた事を伝えた際に、伝え間違いか誤解があったのかと思えた。
職場復帰のタイミングを計っていると告げた。
患部周辺の皮膚はまだ強張っている。屈伸、開閉すると痛みがある。どうしてもと言うのでなければ、療養した方がいい。時間と共に痛みは取れていくのだから。ゆっくり治していきましょう。との言葉を頂き、自宅療養継続となった。
嬉しかった。
実はちょっと意外だった。
車の運転に関して「自分で急ブレーキを踏めると思えば運転していい」と言った医師なので、仕事に関しても同じように言われるかと思っていた。
これまでシャワー浴だったが、湯舟に浸かる許可が出た。
待合で長らく待っている間に、病棟から看護助手さんが入院患者さんの車椅子を押して診察に連れて来た。私の顔を覚えていた。マスクの上しか見えないのに
「あ、久しぶり。髪切ってる。若返ってる」と言う。
嬉しいけどそれは散髪と化粧のせいだ。
会計窓口で、保険証の提示を求められたのと同時に「更生医療の○○(何と言われたか忘れた)は?」と問われ、保険証はすぐわかったが、厚生医療は分からず、咄嗟に持って来ていた健康保険限度額適用認定証を出した。外来から受け取って会計窓口に出したカルテには「更生医療」に〇が付けてあった。手術前の診察の際、更生医療の手続きを勧められ、病院から貰った書類を持って役所に届け出ていた。
会計を待っている間に、傷病手当金支給申請書を別の窓口に提出した際、期間を問われ、答えられなかった。時間を貰い、職場に電話した。
入院前日は公休日だったので、申請書に書く期間の始めは入院初日となる。そして終わりの日を、退院の日とするか、退院後リハビリを受けているクリニックにかかる前日までにするか、退院後1か月で受けた再診の日とするかという話になり、結果、最長で書いて貰える再診の日までとなった。これ以降、復職の日までを、リハビリに通っているクリニックにお願いする事になる。
先日のブログでその日にちを「自分で決める」と助言を受けたのはこういう事だったのかと納得した。
入院した3月、年度で消える有給休暇を目いっぱい使い、公休があり、欠勤は8日だけだった。驚いた。良きに計らってもらえるよう総務に頼んでいたのだが、お陰で3月の給料が今月入金されている。欠勤した8日分のみを傷病手当金から補填してもらえる事になる。
そして会計機の前で2度驚いた。
レントゲン、再診料が440円。・・・安くね?
共済金請求書の文書料が4400円。・・・高くね?
入院前の初診で、各種検査を受けて17000円超という高額支払に驚いたので、今回もそれなりに覚悟してお金を持って来ていた。
これが更生医療の力なんだと思った。
でも、窓口で言われた更生医療の証が気になり、あの時咄嗟に出した健康保険限度額適用認定証で良かったのか、健康保険組合に電話して尋ねた。
健康保険と更生医療は全く別物との事で、分からないと言われた。更生医療は市町村で手続きするものだから、そこで貰うんじゃないか、との事だった。
そこで、更生医療の手続きをした役所の福祉課に電話し、窓口で求められた時に見せる事が出来る更生医療の受給者証か認定証か保険証的な物があるかと尋ねた。厚生医療というものをようやく理解できたのだが、手術入院をする病院に限り、期間を限り、医療費が補助され支払い時に適用されるもので、提示出来る証的な物は無い。つまり、今回の私の場合、県病院で股関節の手術入院とその後の経過診察に限り、期間限定で支払額が補助される。
更生医療支給認定通知書(A4用紙)を見ながら担当者と話すうちに、次回の再診日が、期間切れ翌日であることが発覚した。
再診日を数日前倒しするよう、予約日時を変更した。気付いて良かった。
医療にかかる手続きは煩雑で、分かりにくい。
でも知っていなければ、教えてもらわなければ、払わなくて済むものまで払う事になる。
医療費に限らず、世の中、そういう仕組みになっているのだろうと、考えてしまった。
とても疲れた。