「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

職場復帰の時期をどう決めるか

 来週は、退院1か月後の再診がある。退院してから自宅近くのクリニックで週3回リハビリを受けている。お陰で今は、自宅での生活に支障を感じない。他者から見てもすっかり普通の人だと思う。

 先日また職場のホーム長から電話があった。

 どうしても立ち行かないらしい。

「療養中だからタダ働きで悪いけど、ちょっと来てもらえんか」

 平日の昼間は上層部が居るので、内緒の出勤に週末ではどうかと言われた。

 土曜日の午前に行って事務所のパソコンで奮闘し、夕方5時過ぎまでかかって今月の担当者会議録からケアプラン作成まで仕上げ、利用者家族に電話して発送までこぎつけた。お腹すいた・・チョコレートとお茶を口に含んで凌いだ。

 5時前に夜勤の為出勤してきた管理者と、復帰について相談した。

 管理者は「まあ、事務から始める事じゃね」と言う。有難かった。現実問題、フロアにも入る必要がある。出勤するからには、他職員のこれまでの頑張りに報いたい。せめて座って出来る介護記録を書く仕事をしたいが、その為には一日の利用者の様子を見なければ書けない。見守りという重要な仕事だ。そうなると利用者と関わるようになるのは目に見えている。

 

 その後のリハビリで復帰の話をし、理学療法士の見立てを尋ねた。

 身体介護をせず、台所等の生活援助をしながら見守り、生活記録を記載する等の仕事ではどうかと問うた。

「どうしても出なければならないのでなければ、休んだ方がいい。

 悪い所を庇うような癖がついてしまっているのを、今治しておかないと」

との事だった。リハビリに行く度、出来ない動作や痛みが出る動きが露呈し、自宅での自主トレが増えている。

 

 正直、休みたい。理学療法士の言葉は嬉しかった。

 仕事に行く日が近づいていると思うだけで動悸がする。

 でも、来月は入居者全員の3か月に一度の機能訓練計画の見直しがある。作業療法士の助言を受けて全員分の計画書を立て替えなければならない。実はそのために書類を一部持ち帰っている。手書き出来るものを自宅で済ませようとしているのだ。本当は持ち出しはNGだが、パソコン入力以外のものは慢性的に宿題になっている。

 

 退院して1か月ぶりに診る医師は「〇月〇日付けで復職可」って、どう判断するの?

 

 こちらから「〇月〇日付けでお願いします」と言うべき?

 

 車の運転に関しても「急ブレーキが踏めると自分で思えば運転可」と言った医師なので、復職に関しても同じように言われそうだ。今は「退院後1か月間の療養を要する」との診断を受けて休職している。

 

 ホーム長からまた電話があった。今年度、管理者研修を受講しないか、と。

 現場で介護が出来ないのであれば、次のステップを踏む必要があるかもしれない。

 今年はケアマネジャーの更新研修を受講する予定なのだが、それに加えて管理者研修を勧められた。

 

 復帰を迷っている事を告げると

「まさか、他所へ復帰するつもりじゃあるまい?」と言われ、

・・・いえ、御恩に背く事はしません、と答えた。

 

 ホーム長は退こうとしているのだろうか・・そんな気もした。