「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

介護業界に黄金週間は存在しない

今週のお題「特大ゴールデンウィークSP」10連休どうだった?

 いや、どうだったもこうだったも、介護業界に黄金週間という観念は存在せず、当たり前に仕事。10連休無くてもいいから、その分の手当か後日休みがあるといいのにと思うのは私だけではないはず。

 市役所にお勤めの、入居者の息子夫婦が面会に来た時、

「10連休ですか?」と尋ねると、逆に

「すいません、お世話になります。」

と恐縮そうに言われてしまった。

 10連休の割には、家族の面会が少なかったし、自宅に連れて帰るという人もいなかった。

 フロアの大型テレビで連休の混雑の様子を一緒に見ながら、

「世の中は10連休らしいけど、私は毎日会いに来るからね」

と入居者に言うと、嬉しそうな顔をしてくれる。仕事だからねとは言わないのがミソ。

 連休でも入居者はご飯を食べなくちゃいけないし、風呂に入らなくちゃいけないし、私は月末月初の事務仕事もある。現場はパートさんがほぼ休む為、正職員だけで回さなくちゃいけない。

 困ったのは、医療だ。入居者は連休構わず熱を出すし、転倒もする。

 施設の経営元の医療機関の担当Dr.と毎日電話で報告と指示がやりとりされるのだが、医院が開いていない日は、Dr.の個人携帯に電話すると、電話の向こうからDr.の子供さんの元気な声が聞こえて来たりする。申し訳ない。

 

 10連休のお陰で、公務員になったうちの娘は帰省出来た。高速道路上り線を帰省するため、交通量は多いが、さほど渋滞はなかったようだ。ただ、サービスエリアが半端なく混雑したため、食事が出来ず、出店も長蛇の列で並ぶ気になれず、トイレだけ済ませて腹ペコで7時間一人で運転して帰省してきた。大したものだ。帰路の高速道路で死亡事故があった際の渋滞に巻き込まれて帰宅が遅くなったと連絡してきたが、事故に巻き込まれなくて何よりだったと返信した。その事故は全国版ニュースで放送された。

 

 10日の間に、一緒に仕事する6人のうち、1人配置転換、2人退職するとの情報があった。・・・半分居なくなるの!?・・・辞めたくないけど辛くて続けられない1人と、精魂尽きた2人だ。

 分かる! どれだけ頑張れるか私も時間の問題だ。

 会社がブラックなのか、介護職が恵まれないのか。両方か。どうしてこんなにも我慢ばかりを強いられるのだろう。

 

 辛い事に楽しみを見つけるとやりがいになると信じたいが、楽しもうにも身体的、精神的余裕がない。

 世の中の10連休が明けたと同時に私は公休2連休となった。・・・あくまで公休。