「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

今週のお題「ハロウィン」
 20数年前のこと。
 アメリカに1年滞在するにあたり、日本出国前に国際免許証を取得していたが、期限が一年間の為、帰国する前に切れてしまう。そこで現地で自動車免許を取得すべく試験を受けた。
 日本語で受けることが出来たのが幸いで、合格したのはいいが、州から送付されるはずの運転免許証がいつまで経っても届かない。

 日本のように確実に郵便が届く保証はない。
 運転免許証が州から届かないのは当たり前のような空気で、仮免許の期限が来るたびに更新しながら免許証が届くのを気長に待つしかない。
 
 期限の月末に再度教習所に申し立てに行き、仮免許証書を受け取ったのだが、そこには私と同じように申請する人の長蛇の列があり、1時間くらい並んだ。

 偶然その日が10月末日のハロウィンで、職員が思い思いの服装で仕事していた。
 さすがアメリカは日本のようにちょっと帽子をかぶる程度のものではなく、その格好で仕事出来るの?と思いたくなる姿も見受けられて、まあ、並んでいても苦にならないくらい目を楽しませてもらった。

 結局運転免許証が届くことなく帰国の日を迎えた。
 帰国前に郵便局に住所変更を届出ていたが、忘れた頃に再び仮免許証が日本に届いた時は驚いた。
 ・・・仮免が海渡ってくるのかよ・・・
  
 ついに、正式な免許証を受け取ることはなかった。