「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

大人の対応

月曜日、しかも今週は土曜日が休みの為、5連勤。少しでも体力を温存したいところだと思いながら出勤したところ、迎えの車のリストに苦手な彼の名前が無く、何となくラッキーな週明けを予感していた。
 そして迎えに出る前、センターに電話着信。そして、
「○○さん、お休みです。眩暈って。」

 配車されていた運転手が配車ボードの彼の名前の札を外しに来た。そして、
「よっしゃ」
と小さくガッツポーズ。

 迎えが終わって風呂の準備をしていた所でのこと。その場に4〜5人いた。
 熱好きで一番風呂おまけに長風呂の為早くに準備されていたのに、彼一人居なくなることで、予定が変わる。

 一人が言った。
「眩暈って、大丈夫かねぇって。みんなが言ってた。」と。

 ・・・え・・・・?

 そこに流れた空気はビミョーだった。

 もう一度、いや、3度くらい彼女は言った。
「大丈夫かねぇって。向こうでみんながいってた。
 ・・・表面的に。」

 ・・・あ、ああ。納得。

 かくして、平和で和やかな一日を送ることが出来た。
 思いは誰も一緒なのだ。
 ただ、口に出さないだけで・・・