「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

後期授業開始

高専専攻科に通う息子が学校から帰って来て、嬉しそうに話してくれた。

 先輩の同級生が遊びにきた、と。

 高専を本科5年で卒業し就職した先輩が、専攻科に進んだ同級生のいる研究室を訪ねて来た。好きな先輩だったから、会えて嬉しかった。自分は年が違うし、あまり話す機会もないけど、在学中から尊敬していたと言う。

 どんな人? どんな所を尊敬してたの? と尋ねてみた。

 

 話が面白い。・・・面白いっていうか、んー、話に無駄がない、飽きさせない。分からない事は「確かめてくるね」って先生に確認する。頼れるし、何でも応えてくれるだろうなって思える。

 

 ゆっくり、言葉を選びながら話す。

 息子の成長を感じる。

 少し前までは、そういう説明をする事を面倒臭がり「うざい」「もういい」と言っていた。

 

 数日して「今日は〇〇さんが遊びに来た。こういう事があるから学校行かんといけんのよ」とまた嬉しそうに話してくれた。その日は同級生の女の子だった。

 すごいね、みんなそんな風に卒業した後も学校に遊びに来るんじゃねと言うと、

「そうなんよ、オレには理解出来んけど」

 この男、言葉でばっさり切り落とす。

 彼女は4年生で進路を決める時期にすっごく悩んでいたという。

 

 息子は今月、隣県での国家試験受験を予定している。高専に入学して何一つ資格を取ろうとしなかったのに、ようやく開眼したらしい。

 生まれた時から成長が遅かった息子、早い段階で志を持ち巣立っていった同級生達と一緒に本科5年で就職しなくて良かったと、私は今更ながら思っている。

 

 先日日曜日に、今春就職した友達と遊び、夕飯を終えて帰って来て、10時頃の事。

「あー、明日から学校始まる。だりー」

・・・?

 これから後期授業が始まるらしい。

 これまで秋休みだったって。

 今春本科を卒業して専攻科になってから、リモートになったり、インターンだったり、時々学校行ったり行かなかったりで、よく分からなかった。ただ、本科5年を皆勤した息子がそうそう学校をさぼるとも思えなかったので、こちらからは何も言わなかった。

 

 ってさ、弁当要るでしょ!

 早く言ってよ・・・