「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

亀の甲より年の劫

定期的に施設内研修が開催される。今月のテーマは

 

アンガーマネジメント

 

認知症高齢者に対して。 

職員に対して。

 

6秒ルール:ゆっくり数えて怒りのピークをやり過ごす

タイムアウト:その場から退避する

カウントバック:100、96、92・・・数えて意識を感情から遠ざける

呼吸リラクゼーション:深い呼吸をして気持ちを落ち着かせる

意識をそらす

コーピングマントラ:ポジティブなフレーズを考える。単純動作をする

・・・

 

講義の終わりごろ、講師が

「前回の講習の時に『何をしたって無駄』という小さい声が聞こえてがっかりした」と言った。

 

グループ討議がありその日講習に参加していた年配者が言った。

「誰にでも腹が立つ事はある。

 たいていの場合、人に対してです。

 でも過去と他人は変えられない。

 ならば自分が変わるしかない。

 自身の見方、考え方、感じ方を変える事で、

 怒りにまかせた言動を避けるのが良いのではないでしょうか」

 

いつも、誰に対しても穏やかで真面目で時にユーモラスなその方は、そんな風に考えておられたのだなと、偶然その講習会に参加して知った。

 

亀の甲より年の劫

 

自分もそれなりに年だけ重ねてきた。

同じ職場で働くこの方の考え方の一端を知り、もっとこの方を知りたいと思った。

仕事以外にも学ぶ事は多い。