「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

息子の帰りが遅くて心配

 毎日息子の帰りが遅くて体調が気になる。

 高専5年の彼は来春の卒業を控え、少し前に卒業研究の中間発表があり、準備に忙しかった。

 勉強出来ないまま後期中間試験週間に突入、翌日の試験対策のみで考査を受ける。

 今週末にあるデザコン全国大会に向け、最終調整・・・と言いたい所だが、未だ作品自体が未完成らしい。

 

 1年生当初からデザコンには毎年参加しており、本人はさほど気が進まないようでも誘われては制作して全国の大会が行われる地へ赴き、それなりの結果を残していた。 

 ところが去年の全国大会で初めて撃沈した。まだ大会途中の昼頃に

「壊れた!」

とラインがあり、続けて

「俺の部屋にアマゾンの箱あるから写メして送って」とのたまう。でも箱を開けちゃダメだって。箱の表って、送付票だけなのに、それでも

「ありがと・・・」

と、消え入りそうなライン。やり場のない悔しさや頑張ったのにという気持ちも含めて打ちひしがれている姿が目に見えるようだった。そして初めてその日のうちに翌年の大会参加を誓った。

 

 毎年長い夏休みを自宅でゴロゴロして無駄に過ごしていたのに、今年は週末も祝日もなく毎日学校へ通っていた。後期授業が始まる時に、今まで授業以外の事で学校へ通ってたのねと思ったほどだ。

 後期が始まっても週末も祝日も学校へ行き、この数か月ろくに休んでいない。

 しかも毎日帰宅が遅い。

 それも今日までだ。

 今日梱包して明日は大会前泊の為、移動とともに搬送する。

 よく頑張った。

 すごく頑張った。

 こんなに頑張る姿を見たのは初めてだった。やり遂げる意志。新たな発見だった。なかなか責任感あるんじゃない?

 今日私は夜勤に入るので、息子の帰って来る顔を見れないし、明朝出発する姿を見送る事も出来ない。

 気になる。

 この数か月で息子の成長を感じている。

 母としての無力さも嫌というほど感じる。