「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

新入生の黄色い傘

今週のお題「雨の日の楽しみ方」

 雨の日が鬱陶しいのは、大人になった証拠なのだと思う。

 子供は雨が好きだった。

 小学校に入る前に、自治会から入学予定の子がいる家庭に児童用の黄色い傘がプレゼントされた。学年が上がるにつれ、色も柄も自由になるので、雨の日の登下校風景で、この黄色い傘は新一年生だとわかる。

 ところが我が子は雨の度、長靴の中を水浸しにし、帰宅した玄関で長靴をひっくり返してジャーッと水を出した。黄色い傘で水たまりの水や土砂降りの雨をすくい、自分はびしょ濡れ。黄色い傘を何本買い替えた事か。明日も雨の予報なのに、どうする気だよ!?と言いたくなるが、当の本人はお構いなし。

 そんな我が子ももうすぐ二十歳。

 最近雨の日用にリュックカバーを新調し、気に入っているらしい。

 カッパを着てリュックを背負い、クロスバイクで学校に通っている。

 大きくなったな。色んな事が懐かしく思い出される。私自身が年を取ったって事だね。