今週のお題:平成のおもひで
私の平成は子育てと共にあった。
息子が幼稚園に入園した日、親も子も少し緊張気味だった。
式が終わって子供達は園庭で遊び始めた。
「かあちゃーん!」と大きな声。見ればジャングルジムのてっぺんからこちらに手を振るクリクリ頭の男の子。
今時かあちゃんって呼ぶ子も珍しい。どんな肝っ玉母さんかと振り向いてみれば、白いワンピースを着た、すらっと背の高い、色白でモデルのように綺麗なお母さんがその子に向かって手を振っている。
・・・それは「ママ」でしょ・・・
それから暫くして、幼稚園にお迎えに行った時。
その男の子がぎゃんぎゃん泣いている。そしてその傍で怒るかあちゃん。
言う事を聞かんけーよ!」
男の子:「ごめんなさい。(ぎゃー泣)ごめんなさーいー(ぎゃー泣)」
・・・かあちゃんコワッ・・・
それからまた暫くして、放課後園庭の砂場で男の子達がおしゃべりしながら遊んでいた。
「あ、そーだ。このまえ、とーちゃん見たよ。」
「オレも見た。」
・・・とーちゃん固有名詞!?・・・
その子達のお父さんは「パパ」らしい。
我が家では主人のこだわりで「おとうさん」「おかあさん」と教えていたのだが、生まれて間もない息子が「パッパッ」と発語があるのを
「あ、今パパって言ったよね!?」
と喜んだ主人に、教えてねーだろ、たまたま声出しただけだよ、って声に出さねど毒ついた。
娘には「おとーしゃん」「おたーしゃん」と呼ばれた。「おとうさん」「おかあさん」は、子供には難しいらしい。可愛いのでそのままにしていたら、ある日、自分で気付いて直してしまった。
娘は大きくなって、私の事を「はは」と呼ぶようになった。友達内での親の呼び方が「○○(苗字)母」「○○(苗字)父」となっていた流れだった。
ある日スーパーで買い物していたら、お友達母に「ははー!」と離れた所から呼ばれ、周囲の目を感じた。自分達にとってはごく自然なのだが、周囲の目は不自然を表していた。
子育ての中でたくさん考え、迷い、頑張ってきた事は多々あるのに、こんな些細な事を懐かしく思い出した。