「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

今週のお題「2012年、夏の思い出」

夕方、利用者を全員無事に自宅に送り届けるとほっとする。最後の利用者を降ろして送迎車へ戻ると、運転手さんと
「お疲れ様でした」
と言葉を交わす。
 
 その日は運転手がセンター長だったので、心持ち緊張していた。いつものように
「お疲れ様でした」
と言った後で少し間があり、
「ああ、もう、あきっぽいね。」
と言われ、ドキッ。
 返事に困っていると、
「雲とかね。思わん?」
と続けられてホッとした。

 秋っぽい、ね。
 飽きっぽい事を諫められたかと・・・

 そう。
 慌しい毎日を過ごしても、季節は万人に等しく過ぎている。
 夏休みが終わる。
 これから朝夕の送迎の道は、登下校の学生がいっぱいになるだろう。
 
 飽きっぽい私でもここに来て1年になる。
 いろんなことがあった。たくさんの人と出会って別れた。
 この仕事は人の死に近い所にあることを痛切に感じる。