「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

今週のお題「新生活での、おもしろエピソード」

・・・いまはむかし・・・
 受験に失敗し、本意ではない大学へ進学することになってしまったのだが、その大学は留学制度が充実しており、アメリカに姉妹校を何校も持っていた。そのうち6大学へ毎年留学生を送り込み、カリキュラムに従って単位を取得することで、帰国後の単位に加えられる。
 試験を受け、振り分けられた大学へ着くと、学生寮に案内された。二人部屋で、ベッドが二つ、机が二つ、冷蔵庫が一つ、洗面シャワートイレ、クローゼットが一つある。
 一通り説明を受けた後で、相方が上着をかけようとしたのだがクローゼットにハンガーがなく、
「ハンガー、ハンガー」
と言うと、いきなり冷蔵庫を開けられて・・・当然だがまだ何もなかった。


 仲良しになった4人は二部屋に別れ、夜になった。
 いきなり部屋の戸を激しく叩く音。開けると、バスタオル1枚巻いた姿で飛び込んで来た。日本ではシャワーのノブは左右に回すのだが、アメリカではノブを引くのが一般的で、引いたら抜けてしまって水が出っぱなしになったという。4人で頭をつき合わせて状況を説明する文を作り、必死で説明した。
 

 日本人は何故英語がしゃべれないのか。
 受験のための英語は会話のために決して間違っているわけではないのだが、経験値が足りない。「慣れ」である。語学は使わなければ忘れてしまう。しばらく英語圏にいると、簡単な英語と簡単な日本語で過ごしてしてしまうため、日本語を忘れてしまうのだ。
・・・お題のお陰で懐かしいことを思い出した。