「生きる」を考える

斎場にて人生の終焉を見送る 元介護職 兼 介護支援専門員の日常

今週のお題「卒業」

高校受験の娘がいる。
 数日前、夕飯の時いきなり泣き出して
「もう、えらい」
と言う。最近毎晩寝る時涙が出るという。胃痛の訴えも続いている。こんなにも精神的に追い詰められていたのかと、親として自責の念にかられた。
 
 小学1年から空手を続け、9年になる。中学ではハンドボール部でスタメンのキーパーを務めた。いろんなことを乗り越えてきた。自分はもっと出来るはず、強いはずだと思っていたのにと、涙をポロポロ流す。

 弟の大学受験が終わった時だったと思うのだが、母が
「母親なんて、無力なものよ」
と言ったのを思い出した。
 私は娘に、出来る限りの事をしてきただろうか。
 日々の忙しさにかまけ、自分の事でいっぱいいっぱいだった。
 
 試験の今日は、仕事を休み、時計を見ながら
「今は数学の時間・・・」
「お弁当食べてるかな・・・」
 祈るしかない。本当に無力だ。

 明後日、卒業式。明日休まなければ皆勤となる。
 「蛍のひかり」も「仰げば尊し」も歌わないというから驚きだ。「明日という日」と校歌を歌うらしい。

 一週間後、桜が咲くことを願っている。