映画「太平洋の奇跡」〜フォックスと呼ばれた男〜 これは観るべき!! 観ごたえあった。
全身で「ビクッ」としてしまう場面も何度かあった。
竹之内豊、・・・役だけどこんな上司がいい。
中間管理職は今も昔も辛い。
「尊厳」や「死生観」も重いテーマの一つになってて、日本軍の自害や民間人の自殺が理解できないと、アメリカ側の上官がその真意を知りたがる場面が丁寧に描かれている。日本に留学経験のある将校が、将棋の駒を使って説明しようとするが実際には理解の範囲を逸脱しているため、上官には納得してもらえない。ある意味カルチャーショックだ。
以前、映画「私は貝になりたい」で、米兵を刺した罪で服役する日本兵の米軍による裁判の場面で、
「なぜ刺したのか」
と問われ
「上官の命令だったから」
と答える。
「それが正しいと思ったのか」
と重ねて問われ、
「だって、上官の命令は絶対だから」
「正しくないと分かっているのになぜ上官にそう言わないのか」
そして刑は執行される。
終戦を迎えると、アメリカ側から歩み寄ろうとする。敵ながらフォックスを尊敬していると言うその米将校が好印象だ。
映画「真夏のオリオン」でも、終戦の知らせが来るや、米側の母艦が空砲をあげ、日米双方握手する。
「昨日の敵は今日の友」となった瞬間。
違う意味で生き辛い世の中にあって、時代や世相に洗脳されて、その中で自分がとるべき行動を、考え、迷い、悩んで、
でもその時代の正義は必ずしも今の時代の正義ではない。
すると、今の時代の正義は、65年後くらいの正義ではない?
その頃
「ありえなくね?」
なんて言葉じゃなく、どう言われるんだろう。